ロバート・アルドリッチ監督

こんなド派手なシーンは無い

合衆国最後の日
の録画テープが押入れから出て来た。NHKの衛星で放送されたものを録画したやつだ。実は2時間枠のTV吹き替え版も録画してあったのだが、この録画を期に消してしまったのを後悔している。
カプリコン・1」と双璧のアンチアメリカの娯楽映画の傑作だが、内容が危ないと言う事でアメリカ国内では撮影出来ずドイツで撮影されたと言う。それと「キネ旬」か何かで読んだ記憶があるが、元々はTVムービーとして製作されたらしい。
この衛星放送版はTVサイズが基本で、マルチ・スクリーンになると画面がビスタサイズになる。このマルチ・スクリーンの効果が素晴らしいので、本編もビスタサイズの様に思われているが、録画を見る限り左右が窮屈な印象は全く無い。キャメラ・オリジナルはスタンダードサイズで間違いないだろう。
さて、マイケル・ベイの「ザ・ロック」の元ネタである事は映画好きなら一目で判るが、内容の重みが全然違う。「ザ・ロック」はクライテリオンからDVDが発売された事から見ても、評判が良いのだろうが(でも俺はハリウッド・ジャンク映画の「最悪の見本」として、笑いものにする為に商品化したと信じている)、こちらを見た後ではゴミでしかないよな。
先だっての「五月の七日間」に引き続き、バート・ランカスターが政府に反逆。「五月〜」では失敗してよかった、と思えるが、こちらでは成功してもらいたかったなぁ。撃たれて倒れた大統領に、友人の将軍以外誰も近づかないラストに寒気を覚えた。
さて、アルドリッチと言えばスコア担当はフランク・デ・ヴォールだが、この作品はジェリー・ゴールドスミスである。デ・ヴォールも一流のハリウッドの作曲家だが、この様なテンションの高いサスペンススコアが書けただろうか? 「カプリコン・1」ほどの人気は無いがJ・Gファンは避けては通れない傑作。