川島雄三

若尾文子が一番したたか(笑)

監督の裏の傑作。守銭奴一家の日常を追い、そのしたたかさに呆れるも良し、笑うも良し。芸達者な俳優ばかり出演しているのでまず飽きない。小沢昭一の歌手なんか最高(笑) 今じゃ作れないタイプの映画。
セットが最高であらゆるアングルから撮影できる様にセットを容易にばらせる様にしたそうで、普通のホームドラマでは絶対使わないアングルが続出。キャメラワークだけでも腹一杯になるぞ(笑)


川島監督は若尾文子を密かに愛していたと言う説がある。確かにこの映画のなかでの若尾文子は非常に美しいと言うか、艶めかしい。フェロモン過多である。
仕様
大映ビデオ発売・シネスコ・モノラル。画質は良いとも悪いとも言えるのだが、少なくとも写っているモノの「質感」の表現は素晴らしいと思う。人の肌とか、コンクリート壁の感じとか、恐らくネガから直接テレシネした訳ではないと思うが何とも凄い。