デックの奇妙な日々

かなり「デック」ぽい映画


とても単純な話し。若くして売れたSF作家が、新作がどうしても書けないと苦悶するだけの話です。
新作を書く為に環境を変える決心をした主人公は、女しかいない一軒家の一部屋を借り、「さあやるぞ!」と意気込むのですがね。その女と言うのが、主人公が片思いしている堅物の科学者の女、ヤリ○ン(重要)の高校生、その親で主人公と何とかナニしようとする年増の3人。主人公はこの3人に邪魔されて全く筆が進まないが、客観的に見たらこりゃ羨ましい話で、「書けない!書けない!」とモットもらしく悩んでいるクセに、仕事への意気込みはヤリ○ンの高校生とのピストン運動に直行、観ているこちらの腹の立つ事
やっとこさ出来た原稿持ち込んでも「もっとエロとバイオレンス入れろ!」と、小松左京SFマガジンの福島正美編集長に言われた事と同じ理由で出版社からツっ返される。仕方なく受けやすいその内容で書き進めようとしても全く書けない。その内頭も狂いだして来る。そんな繰り返しがこの映画の内容です。
凄い低予算の映画だけど、同じ「書けない」と苦悶する「シャイニング」や「バートン・フィンク」より余程サービス精神がありますよ。エロは十分あるし、「劇中劇」として再現される執筆中のSF映画も低予算ながら良く出来ている。小説を書き終わると同時に、劇中劇のSF映画もハッピーエンドで終る、上手いと思ったな。
エロでは「シャイニング」に勝っているよ、ババアのヌードなんて見たかないし、ニコルソンの女房役は実写版「ポパイ」でオリーブ演じたあのブス(名前忘れた。よくギリアムの映画に出ているあの女優)だよ。ね?勝っているでしょう。
書けない苦悩は「バートン・フィンク」に勝っているよね。お馴染み「ラリー」でないコーエン兄弟なので、何時もの事だがどのジャンルの映画なのか解らない様に創っている。俺の様な映画の落し所を早く見つけたい単純バカには付いて行けないです(笑)
仕様 
イオニア発売。「プライベート・シネマ」と言うシリーズの一枚。カラー・モノラル。
インディーズにしては画質は良いのかな。音質はこりゃ仕方が無い。