大菩薩峠

雷蔵の美しさは外人にも解るのか?


岡本喜八監督版と言うか、岡本監督のいつものフットワークを期待すると肩透かしを食らう映画だが、でも面白い。仲代達矢パーフェクトな基地外を演じているので貴重なのだ。やる事成すこと皆外道と言うキャラクターは、今の仲代のポジションからは絶対想像出来ない。でも、皆さんお気づきの様に仲代の目つきは油断出来ない所があり、善人を演じていても何時か裏切るのではないか?と言う緊張感が漂っている。あのギョロッとした瞳に「虚無感」と同時に「狂気」も秘めている。だから冒頭から既に狂っている仲代を見せつけられるのは逆説的だがこの映画に対して安心感を持てる。岡本監督によると続編を創る予定があったので、ああいったラストになったそうです。所が仲代のネジのすっかり抜けきった狂いップリにビビッた東宝が「明るく楽しい東宝に合わない」と続編を却下しやがった!(嘘です) 個人的には同じ喜八監督の「殺人狂時代」よりヤバイと思うのですがね。
TVでは絶対放送不可能な映画だからLD見つけたら即購入しよう。あっ!でも最近クライテリオンからDVD出たから安心だね(笑)
仕様
クライテリオン発売。(日本パイオニア製造?なのが癪に障る) 白黒・シネスコ・デジタル・モノラル・英語字幕。流石クライテリオンである、眼にも鮮やかなモノクロ映像。コントラストも適度で、黒側も「潰れきらない」繊細な階調表現、スクイーズのDVDなら更にキレイであろう。