スペース・インベーダー

ジャケのオバンとガキは親子です


異世界に取り込まれてしまった肉親を奪還する話だけど、話が「ポルターガイスト」の裏返しなんだよ(と思っているのは俺だけか)
嘘吐き扱いされ散々怖い思いをし、夢オチと思った瞬間ホントだった、と主人公の少年を親の敵みたいにイビリます。この恨みの根拠は何でしょう? 手柄を横取りした某と仮定して観ると何となく理由が解ってきますよ。だからこの映画観る前に必ず「ポルターガイスト」を観て下さい。成功を横取りされたフーパーの恨みは深い
最近TVで放送されなくなったのはポケモン病」を恐れる為(本編中チカチカ画面が結構有る)で、フーパーの呪いじゃありません。
さてこの作品はスピルバーグと関係ないが彼を連想するモノが散らばっている。主人公の少年がイジメられっ子と思しき設定は常套手段かもしれないけど、父親とのからみを見るとやはりスピを意識しているとしか思えない。メインタイトルが終ると、親子ジベタに寝そべって流星の観察をしている。父親がNASAで働くエンジニアだからこんな画を設定できたかもしれないし、アメリカで郊外に住む中流家庭では案外普通の光景かもしれない。でも映画史的(?)には、これはスピの少年時代のエピソードに間違いないのだ。「未知との遭遇」の原点と言われる、流星群を真夜中に親父と一緒に眺めた事件の事だよ。スピの親父は映画と違いIBMのエンジニアだったけど、戦時中は爆撃機に乗っていたから空への憧れはある。親父をNASA職員にしたのは表面的には安直に思えるけど、裏では何とかスピを痛めつけたいフーパーの努力があったに違いない(妄想ですよ)
クリストファー・ヤングが書いたスコアも注目。タイトルのマーチをよ〜く聴いて欲しい。勇ましいブラスのメロディの立ち上がり方、途中に入るジャングルか密林を連想させるパーカッション、オボロゲにだがランボー2」で流れたジャングルモチーフを入れ込んだミニタリー音楽に聴こえてこないか? エンドタイトルはモロ「ポル〜」のキャロル・アンのテーマに酷似しており、いやメロディは似てないけど柔らかい木管の響きがソックリなんだよ。劇中のスコアはシンセ主体のアンビエントなモノで印象に残らないが、この2曲だけは際立って印象に残る。
「ポル」でフーパーは音楽ダビングに一切関わらず(関われず?) 現場はスピが仕切ったそうです。「スペース・インベーダー」の何曲かを、ワザとJ・G風に書かせたのはアテコスリなんでしょう。確かフーパーから一度スコアの書き直しを食らったと聞いているが、「似せろ!」フーパーの指示があったのかも(妄想ですよ)
仕様
ヘラルド。パイオニア発売。シネスコ・CXステレオ・ドルビーサラウンド。ヘラルドのLDにはワイド収録の物が多いが、買い取った映画をビデオ化する際、元の権利者に無断でフィルムをいじれないからで、キャメラマンにも著作権(縦横の撮影比率や構図に著作権があるのか?)が有るから別にオリジナルサイズにこだわった訳じゃない。一作目の「ゴジラ」はアメリカではシネスコで上映されたのは有名だが、アメリカから「フィルムいじりましたよ」と玉井撮影技師に断わりの手紙が届いたそうだ。
もう一つは、DVD時代に突入してからは余りパッとしないエリート・エンターテイメントのLD。シネスコ・デジタル・ステレオ・(表記が無いが)ドルビーサラウンド。デジタルマスターでヘラルド版とは比べ物にならない高画質。音質も段違いだが、所有のアンプのせいか、プロロジック再生だとサラウンドスピーカーに台詞のエコーが多量に漏れる。