やたら有りがたがる物でも無い

THX−LDってインチキ、
と思う瞬間がある。
先だって仙台で「スターウォーズ」のTHX・CAVボックスセットを購入した。確かに標準ディスクなのでCLVより落ち着いた、なだらかな映像であった事は間違いない。さて、以前パイオニアは同じく「スターウォーズ」を「スペシャル・コレクション」と銘打った、世界初のシネスコ収録・CAV標準ディスク仕様のLDを発売している。ただし、特典は全く無い(「ジェダイの復讐」のみ本編終了後に、シネスコ画面とTVトリミング画面の効果の比較をしたオマケがある) アメリカ本国より先にワイドサイズで商品化した事も話題になったので、本国への逆輸入もかなりあったのではないかと思う(アメリカではTVサイズのCAV・LDがあったそうだが、何とも中途半端な感じを受ける)
両者を比較してみたが、結論として画質に関しては、旧CAV・LDはTHX・CAV・LDにかなり近いと確信した。
音は、THXの方は音をリミックスしたから、全体にクリアに聴こえる。旧CAV・LDは恐らく磁気マスターではなく、プリントのオプチカル・トラックからの収録だと思われる。音質的には健闘していると思うが、やり直したTHXには負ける。しかし、ドルビー・デジタルではないので、聞き耳を立てていない限りその差は判らないのではないかと思う。
さて画質である。旧LDは映像にセットアップがしてあるので、THX版より画面がやや明るいが、反面ノイズも目立ち、黒がグレーに見える。所有のプレーヤーにはセットアップ・ゼロに出来るスイッチがあるのでオンにしてみる。
その上での画質の比較だが、はっきり言って両者の画だけを見せて「どちらがTHX・LDですか?」と聞いてもほとんどの人は見分けがつかないンじゃないかな?
THX版は、その宣伝で「C3−POの金色のボディが本当の金色に見えますよ」と言うのがあった。でも旧CAV・LDもC3−POの金色はかなり健闘している。
3部作とも、タイトルごとにCAVボックスで発売されたが、どれも丁寧な仕事だと言える。だから血相を変えてTHXボックスを探す必要は無い。俺のように大した再生システムじゃなくても差はほとんど感じられないので「THX」をむやみやたらとありがたる必要は無いぞ。
映像特典はTHXボックスの方が豊富。これは仕方が無い。