復活の日

2枚組豪華愛蔵版 必携

今時この作品をLDで欲しいなんて言うヤツは変人。dtsリミックスのDVDが発売中だし、仮にジャケット目当てだとしてもサントラLPと同じ図版だしね。角川映画のLDは基本的にパイオニアから発売されるが、超大作にもかかわらず何故かコロムビアから商品化された。権利関係からこうなったのだろうが不思議でならない。コロムビアはLDの再販を滅多にしないので、コレも初版のみで「アッ!」と言う間に市場から無くなってしまう。頻繁に中古ビデオのメッカビデオマーケットさんに在庫確認をしたもので、いつも「在庫はございません」か「「LD在庫は以前ありましたが8000円だったと記憶してます」との御返事。あ、別に恨んでいる訳じゃないですよ。そんなこんなで10年も探してやっと見つけたLD。
小松左京原作の映画では「日本沈没」「さよならジュピター」より好きだが、不満が無い訳ではない。音楽がマズイのだよ、明らかに「メニュー」として作曲してもらい、映像と同期させるフィルム・スコアリングが成されてない。テオ・マセロと言うジャズ系の人が作曲したが、曲自体はフルオーケストレーションで良いのだけどね。で、映画でこの方法を採るとダビング時に大変な事になる。監督が「音楽欲しいのにメニューに適当なのが無い!」となっちゃった訳。そこで呼ばれたのが「ハネケン」こと羽田健太郎氏。テオ・マセロが書いたモチーフを使い、何箇所か音楽の穴埋め作業を担当されたのである。超大作だけど、スケジュールの採り方は基本的に普通の日本映画と変わらなかったはず。シワヨセが音楽に来るのが判りきった事なので、少しでも仕事を軽くしようと全部レコード会社に任せたンでしょうね。ちなみに羽田氏はこの仕事に良い印象を持ってないらしい(氏の著作で読んだ記憶がある)

仕様

日本コロムビア発売。ノーカット・ビスタサイズ。CXステレオだが、劇場公開の4ch音源との関係は不明。フレームはビスタだが上下マスク部分に光の漏れとか有って非常に気になる。当然ながら画質も良くない。字幕は電気的な合成じゃなくフィルムに焼き込まれたヤツ。
このステレオ音声が劇場版に近いものだとするとDVDと違う部分がある。はっきり判る部分を挙げると、まず、タイトルのジャニス・イアンの歌には一切効果音が被らないが、DVDでは飛行機の爆音がミックスされている(この歌の権利はどのレコード会社にも無いと聞いた事があるので海賊版対策の意図があったのかもしれない) スパイが操縦する小型機が墜落炎上のシーンでは、DVDにはよりダイナミックな効果音の付け足しがある。草刈正雄が歩いて南極に帰るシークエンスで、デカイ太陽をバックに草刈が歩く部分、オーケストラの音量がDVDの方がデカイ。まあ、こんなトコか、細かい所でまだあると思うけど。