ジャッカー

エリック脚本のヒッチャーHBO版


天才エリック・レッドが監督・脚本を担当した低予算サスペンス。舞台の殆どが車の中で進み、セットらしいものは冒頭に出てくる少年の家位。犯罪の目撃者になった少年が、口封じの為マフィアに雇われた殺し屋二人に誘拐され、その道中記を映画にしたものだ。しかしだ、この少年と言うのが悪魔で、殺し屋二人を互いに反目させ殺し合いさせようと仕向けるダミアン知能犯だったのだ! 可哀想なのはこの二人である。老練で仕事の何たるかを知り尽くしたロイ・シャイダーと、何かってえと「パパッ!オレ悔しいよ!」と叫ぶ馬鹿、アダム・ポールドウィンが少年の手玉に取られて行くピエロ振りが悲しい(笑)
最近エリックの噂をトンと聞かないが、この逸材を放って置く程ハリウッドって太っ腹か、馬鹿。
特筆すべきはスコア担当のビル・コンティで、ソウルな「ロッキーのテーマ」書く人が神経逆撫でするスコアを全編に渡って展開、単独で聞きたいスコアだが多分モノ凄〜く疲れると思う。ハーマン先生の「恐怖の岬」のスコアと比較しても何ら遜色ない出来。